3Dプリンターで物体をスキャン、コピー、複製することは可能ですか? ハウツーガイド

Roy Hill 26-09-2023
Roy Hill

3Dプリントを考える人は、3Dプリンターが物体をコピーしたり複製したりして、目の前でそれを作ることができるのかと疑問に思うでしょう。 この記事では、プロが3Dプリントできる物体をスキャンして複製する方法について、いくつか紹介したいと思います。

3Dプリント用のオブジェクトをスキャンする方法など、簡単な手順をご紹介していきます。

関連項目: スカートとブリムとラフト - 3Dプリンターによるクイックガイド

    3Dプリンターは物体をコピー&スキャンできるのか?

    3Dプリンター自体は物体をコピーしてスキャンすることはできませんが、3Dスキャナーやスマホの簡易スキャナーアプリなど、他のツールで物体をスキャンしたら、それを加工してプリンターで3Dプリントすることは可能です。

    3Dプリンター用ファイルの作成には様々な手法がありますが、一般的には、オンラインアーカイブからSTLモデルファイルをダウンロードするか、自分でファイルを作成することになります。

    あらゆる種類の物体がうまく3Dスキャンされるのを見てきました。 物体の精度は、使用するスキャン技術、スキャンする物体の複雑さ、照明など、多くの要因に依存します。

    3Dスキャンは、容器から指輪、自分の顔や体まで、あらゆる大きさ、細部、形状のものをスキャンすることが可能です。

    3Dスキャナーの技術や精度は確実に向上しているので、安価で正確にモノをスキャンできる未来の可能性に期待したいですね。

    あるフォーラムで体験談を語ったユーザーは、階段の土台を芸術的に支えている魅力的な像を見たそうです。 その像の周りをニコン クールピクスで20枚撮影し、その写真をメッシュ状に合成したそうです。

    加工を施し、隙間や足りない部分を埋めることで、3Dプリント可能なファイルを作成することに成功しました。

    ドローンを使って有名な建物をスキャンした人もいますし、彫像や博物館の作品、あるいは家にあるもので再現したいものもあります。

    また、Samsung Galaxy S5で74枚の写真を撮って金床をスキャンし、3Dプリントしたユーザーもいます。 他にも、仏像の彫刻パネル、家、針、靴、そして自分の顔などもスキャンしたそうです。

    Thomas Sanladererによる以下のビデオでは、写真測量(画像によるスキャン作成)とプロフェッショナルな3Dスキャナーソリューションの比較を紹介しています。

    デュアルエクストルーダー3Dプリンターをお持ちの方は、「ミラープリント」機能を有効にして、それぞれのエクストルーダーを使って同じものを2つ同時にプリントすることも可能です。

    このクールな機能で、印刷を本当にスピードアップすることができます。

    例えば、左利き用と右利き用のモデルを作ったり、2つのパーツをくっつけたりする場合に便利です。

    Qidi Tech X-Pro、Bibo 2 3D Printer、Flashforge Dreamer、Flashforge Creator Proなどのデュアルエクストルーダー3Dプリンターが人気です。 Best Dual Extruder 3D Printers Under $500 & $1,000 の記事もチェックしてみて下さいね。

    3Dプリントのために物体を3Dスキャンする方法とは?

    3Dプリントのために物体をスキャンする方法を考えるとき、実にうまくいくテクニックがあります:

    • プロ仕様の3Dスキャナーでスキャニング
    • スマホ(iPhone、Android)とスキャナアプリを使用して
    • 画質の良いカメラを使って、複数枚の画像を撮影する

    Arduinoで制御されたターンテーブルなど、実際に3Dプリントするために人々がデザインした予算的なオプションもたくさんありますし、その他のクリエイティブなデザインもあります。

    以下は、Thingiverseに掲載されている素晴らしい3Dスキャナーのデザインです:

    • Ciclop 3Dスキャナ
    • 30ドルの3Dスキャナ「V7
    • 3.47ドルの3Dスキャナ

    この素晴らしいイノベーションは、実は30ドルスキャナーから着想を得たものですが、いくつかの問題があったため、あるユーザーが自分たちのバージョンをもっと安い価格で作ることにしました。 1Kgのフィラメントのスプールが25ドルだとすると、このスキャナー全体のコストはわずか3.47ドルです。

    執筆時点で約7万ダウンロードされているかなりの人気機種です。スマホと連動するこの安価な3Dスキャナーで、楽しい時間を過ごしましょう。

    • Arduino制御フォトグラメトリ3Dスキャナ
    • OpenScan 3Dスキャナ V2

    オブジェクトをスキャするための準備をするとき

    以下は、オブジェクトの準備から印刷開始までの手順です。

    1. オブジェクトを準備する
    2. オブジェクトをスキャンする
    3. メッシュの簡略化
    4. CADソフトへのインポート
    5. 新しい3Dモデルをプリントする

    オブジェクトを準備する

    スキャンする対象物を置くためのスタンドやターンテーブルを用意し、良いスキャンができるように準備します。

    最も重要なことは、あらゆる角度から照明を当てて、最終的に出来上がるメッシュの品質を高めることです。 3Dモデルは、最初のスキャニングと同じだけの品質が得られます。

    また、スキャンの精度を上げるために、対象物に3Dスキャンスプレーを塗ることを勧める人もいます。

    透明な物体や反射する物体をスキャンする場合、細かいディテールを強調することができます。 必須のステップではありませんが、全体的な結果を得るために役立つことがあります。

    オブジェクトをスキャンする

    高精度な3Dスキャナーやカメラ、スマホを使って、対象物の重要な部分をひとつひとつ撮影します。 自分でスキャンする前に、他のユーザーがどのように撮影しているかをチェックすることをお薦めします。

    アングルによって3Dモデルに "完成形 "が生まれるので、メッシュの隙間を埋めるような加工はあまり必要ありません。

    スキャンする距離の違いもありますが、より多くの写真を撮ることが大切です。 細部まで撮影するために、通常50~200枚の写真を撮るのが良いとされています。

    撮影中は、対象物を動かさないように注意してください。

    プリントに細かなディテールが多い場合は、オブジェクトの向きを変えて何度もスキャンする必要があります。

    メッシュの簡略化

    スキャナーでは、非常に複雑で厄介なメッシュが生成されることがあり、それを修正して使用することが困難な場合があります。

    複雑なメッシュを洗練させることができるスキャナーソフトウェアを使用し、完璧なディテールを確保しながら、モデルのメッシュを可能な限り簡素化することができます。

    メッシュを洗練させることで、CADでモデルを簡単に修正・管理することができます。 この目的のためには、Meshmixerソフトウェアや、AliceVisionが最適です。

    撮影したすべての写真からメッシュを完全に再構成する計算には数時間かかるので、最良の結果を得るには忍耐が必要です。

    CADソフトへのインポート

    あとは、スキャンしたメッシュデザインをCADソフトに取り込んで、さらに修正・編集を行います。

    通常、出来上がったメッシュファイルをそのままスライサーにエクスポートすることができますが、プリントしようとする前に、モデルの基本的なクリーンアップを行いたいものです。

    新しい3Dモデルをプリントする

    メッシュがソリッドボディに変換されると、元の構造を分離することができ、他のオブジェクトと組み合わせて新しいデザインを形成することができるようになります。

    デザインは、良い品質のプリントを提供するために、すべての曲線と寸法を持つことになります。

    さて、いよいよ印刷を開始し、努力の成果を手に入れましょう。 高精度を保証し、強力な樹脂を使用する高品質の3Dプリンターで印刷すれば、完璧なモデルが手に入ります。

    関連項目: 最も強い3Dプリント用フィラメントは何ですか?

    プリンターの設定を調整し、3Dプリンターのさまざまな側面をキャリブレーションすることは、手間をかけずに完璧な仕上がりにするために必要です。

    iPhoneやAndroidで物体を3Dスキャンして3Dプリントすることは可能か?

    携帯電話でのスキャンは、技術やソフトウェアの進歩により、より簡単になりました。 Josef Prusaは、携帯電話で物体をスキャンする方法を、最初から最後まで説明する素晴らしいビデオを作成しました。

    AliceVision(旧称:Meshroom)を使って、驚くほど詳細な3Dスキャンを作成しています。 以下のビデオで、ステップバイステップのプロセスを自由にチェックしてみてください!

    スマホのアプリケーションもたくさんあるので、それを活用することで、同様の結果を得ることができます。

    ItSeez3Dは、3Dモデルのキャプチャ、スキャン、共有、実装を簡単に行うことができるアプリケーションです。 これらの機能を携帯電話だけで行うことができます。 このアプリケーションの使用方法は、手順を表示することによって、すべてのプロセスをガイドするため簡単です。

    たった3つのステップで、すべての工程を行うことができます。

    • スキャンする: アプリの指示に従い、対象物をあらゆる角度からスキャンするだけです。
    • 表示・編集する: スキャンした生のオブジェクトをモバイル画面で確認し、クラウドに送信してさらに処理することができます。
    • ダウンロードして共有する: 高品質な3Dモデルをクラウドからダウンロードし、必要に応じてスライサーなどで編集します。 また、3Dプリント用にモデルを他の人に共有することも可能です。

    あるユーザーは、「初めてアプリケーションを使ったが、簡単な説明とガイドのおかげで、シンプルでわかりやすい体験ができた」と体験談を語っています。

    対応する携帯電話をお持ちであれば、このアプリはオブジェクトをスキャンするのに最適な方法の一つです。

    スキャン作業を助けてくれる有料のアプリケーションはたくさんありますが、無料のスキャンアプリケーションもいくつか使用することができます。

    携帯電話を使った3Dスキャン処理に広く利用されている最適なスキャンアプリケーションには、以下のようなものがあります:

    • Trnioスキャニングソフトウェア
    • スキャン3d
    • itSeez3D
    • クロン
    • ベベル

    Roy Hill

    Roy Hill は、3D プリンティングの情熱的な愛好家であり、3D プリンティングに関連するあらゆる事柄について豊富な知識を持つ技術の第一人者です。この分野で 10 年以上の経験を持つロイは、3D デザインとプリンティングの技術を習得し、最新の 3D プリンティングのトレンドとテクノロジーの専門家になりました。ロイは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校 (UCLA) で機械工学の学位を取得しており、MakerBot や Formlabs など、3D プリンティングの分野で評判の高い企業数社で働いてきました。また、さまざまな企業や個人と協力して、業界に革命をもたらしたカスタム 3D プリント製品を作成してきました。ロイは、3D プリントへの情熱のほかに、熱心な旅行者であり、アウトドア愛好家でもあります。彼は家族と一緒に自然の中で過ごすこと、ハイキング、キャンプを楽しんでいます。余暇には、若いエンジニアを指導し、人気ブログ「3D Printerly 3D Printing」を含むさまざまなプラットフォームを通じて 3D プリンティングに関する豊富な知識を共有しています。